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PLAN
保存活用計画全体イメージ
通りから東を臨み、
母屋を中心に新蔵、
旧酒蔵へいざなうイメージ
造り酒屋、質屋、廻船問屋といった歴史を刻み、幾度の災害を経て現在に記憶をつなぐ「東屋さん」の建物群。それらは長年にわたり地域に親しまれ、次代へ残すべき地域の宝「登録有形文化財」となりました。宮古の古い文化の名残りを感じられる場が、新たな文化体験に出会える「複合文化施設」として、人々が集う拠点へと生まれ変わります。
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施設全体に関しては、利用者·地域住民の交流、質の高い文化体験を提供する空間など、場所ごとにコンセプトを明確にし、それらが交互に作用する計画となっています。また、文化財としての建物の価値を損なうことなく、快適性も向上する改修を行っていきます。
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歴史と文化に触れる滞在空間
—新蔵、文庫蔵(ホステル、サロン)
宿泊キャビンのボリュームと、天井と奥行の空間を感じさせるイメージ
箱型の個室(キャビン)を新蔵に並べた「蔵の中に収まる」宿泊かつての事業の財物が収納されてきた土蔵の歴史を体験できる宿泊として、既存の蔵利用のホテルと差別化。
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文庫蔵は共用ラウンジとして、新蔵とガラスで間仕切をして奥行の拡がりを感じさせつつ、防音と空調管理を区画します。2階を撤去して吹抜とすることで、高さを確保し、縦の空間の拡がりを開放します。蔵には静粛性を重視して水回りを設けず、連絡する通路から母屋の水回りを使用します。
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歴史と文化に触れる滞在空間
母屋(ホステル、サロン、ワークスペース)
通り土間から常居、奥の座敷を臨む
常居は多目的スペースとして、通り土間(ろーじ)と一体の利用ができるようにするベース利用において、座敷はダイニング、2階は宿泊客室とする。
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母屋の常居は東屋さんの事業を担ってきた場であり、外からの動線であるろ〡じと一体の大空間として、施設の中核的な場として位置付けます。商家が時代に合わせてなりわいを変えてきたように、母屋は多目的な用途(冠婚葬祭、一棟貸し、ワーケーションなど) に対応します。
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施設同士をつなぎ、交流をいざなう空間
中庭
通りから中庭を臨み、新蔵と母屋を両手に、それらの交点がたまりの場となるイメージ
新蔵から母屋への連絡通路を、ガラスで囲んだコンテナでつながる母屋の縁側を濡縁テラスとして拡張し、縁側の活用空間を広げる通り·新蔵·母屋の目線·動線の交差点にたまりの場を設け、交流を促す。
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既存の中庭を最大限残して景観を確保する一方で、交流を生み出す中庭とするために、両者の様子が視点を通じて交わるところに質素なたまりの場を設けます。母屋の縁側が広がり、中庭と一体の利用が可能となることで、母屋とたまりの場の関連が深くなります。新奇な印象を与えるガラスコンテナを、蔵の伝統的な外観に付属させることで、伝統建物と庭園の景観にアクセントを与えるととともに、母屋の水回りへのアクセスを快適にします。
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食がつなぐ交流空間
母屋(シェアキッチン、ソーシャルキッチン)
[ 利用者活用イメージ ]
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旅行者・移住者のソーシャルキッチン
国内・海外からの旅行者や、お試し移住者・インターン学生・長期滞在旅行者など、外から来た方が調理や食事を共にすることで繋がり、情報交換できる場。(※保健所と要協議)
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地域住民・飲食起業者のチャレンジキッチン
 
地元のお母さん達が郷土料理を提供したり、料理教室を開催したり、飲食起業を目指す方がお試し開業したり、食を通して地域活性・地域交流を目指す方がチャレンジできる場。
[ 改修イメージ ]
キッチンの3面を建具で仕切り、
多様な使い方ができる造りとする。
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見える拡がるキッチン
飲食店営業許可の取得のためキッチンとホールは明確に分ける必要があるが、座敷やホールと一体利用するなど多様な用途を想定し、キッチンの3面を可動する建具で間仕切る。またキッチンの活気が伝わるようガラス張りの見える建具とする。(※保健所と要協議)
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名水が育む新たな「場」
井戸(呼び水プロジェクト、水出しコーヒー)
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「宮古川」 復活! “呼び水” project
2019年9月14日、宮古市内の歴史的建築物「東屋」の敷地内に現存する“井戸”の再活用を目的にワークショップが開かれました。東屋が酒造であった頃、敷地内に湧く良質な井戸水を利用して「宮古川」という酒が醸造されていました。今なお敷地内に残る井戸を復活させ、東屋を訪れる方々、近隣の方々と共に井戸水を介したコミュニケーションの場を創り出す試みです。
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ワークショップ(2019年9月)
 
参加者は、東屋の蔵を活用した映画館「シネマ・デ・アエル」の関係者他、東屋のオーナー、東京から参加者、と、東屋の今後に関わる様々な主体によって構成されました。ワークショップでは世界各国、日本全国の井戸水使用事例をコーディネーターの栗生はるかより紹介。その後、参加者それぞれの経験や専門から井戸再生後の様々なアイデアだしが行われました。 
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参加者たちは、敷地内に残された二か所の井戸を開き、内部の状況や水の様子を確認しました。
[ 井戸端サロン イメージ ]
閉じられた井戸を再生し、井戸の周りには現代の生活サイクルにも馴染む「井戸端サロン(仮)」を設置します。井戸水の恵みを介し、日常の様々
な時間をそれぞれが思い思いに過ごす井戸端となることを目指します。 
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イメージ ①  野菜や金魚など、段差で用途をすみ分ける
イメージ ②  水溜りはいくつも分かれ、多様な用途で利用可能
イメージ ③  利用者がそれぞれの使い方を実践
イメージ ④  ガラスコンテナ、ビニールハウスなど開閉ができる室内に設置
[ 井戸水活用 全体イメージ ]
ワークショップにて出揃ったアイデアを「東屋」の敷地一帯にて仮に展開をした場合の図です。
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活用展開例
 
井戸水を活用した飲料、プロダクトの開発、イベント開催の他、井戸水を開放し、日常的な利用を通してコミュニティを育みます。
水を介した日常のコミュニティは、非常時の防災拠点としての可能性を大いに秘めています。 
井戸水出しコーヒーイメージ
名水井戸を復活させたい
​クラウドファンディング開催中!

東屋さんの駐車場内には、かつて酒造りに使われていた名水井戸が残っています。今は使われなくなり蓋で覆われてしまっていますが、その井戸をもう一度復活させ、地域で有効活用してもらうことはできないだろうか?

心配される津波浸水の影響を受けにくい場所に位置しているため、有事の時には清潔な水で地域を支えてくれる防災井戸にもなります。

歴史あるこの名水井戸を防災井戸として復活させ、さらに人が交流できる井戸端空間としてミニ公園的な整備ができないだろうかと動いています。

応援、ご支援、お願いいたします!

開催期間:2020年11月24日(火)10:00 ~ 12月24日(木)23:00

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質の高い文化への機会とアクセス
旧酒蔵(シネマ・デ・アエル)
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北欧ノルウェーの映画館をモデルに地域の文化センターとして、質の高い文化への機会とアクセス、参加と共有の場を目指しています。
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  • ノルウェーの映画館(とくに地方都市)
① 文化の提供
② 文化的な活動の場(映画以外の)
③ 市民、とくに子供・若者の社会化のための場
④ 文化的・教育的な役割
  • 文化の体験、交流の場、教育的な役割がある
  • 文化芸術の享受と「場」:文化の体験には、体験の場に重要な意味がある
→文化的・芸術的な場(雰囲気、建物)で文化芸術を享受すること
→より深く楽しむ、より有意味な文化体験
 
  •  文化財(建物)で文化芸術を楽しむこと
① 展示だけではなく活用することができる
② 有意味な文化体験:より文化芸術を楽しむことができる
③ その文化財への理解:建物の見学だけではなく、そこで文化芸術を楽しむことで、文化財(東屋の蔵)への理解が深くなる
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東屋 HIGASHI DE AERU
サイン計画
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ロゴデザイン
「東」の古代文字から起こしたロゴマークです。本州最東端の地。そして、舞台は東屋。東からはじまるプロジェクトの動きをシンボライズしています。古代文字の「東」からくるX状の交差線が繰り返されるデザインは、文化や人が交差する拠点のイメージを下支えしています。
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看板イメージ
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フロアガイドのイメージ
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フロアガイド配置イメージ
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東屋歴史解説プレートのイメージ
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